今回はアルルの丘というゲームを紹介します。
人気ゲームデザイナー、ウヴェ・ローゼンベルグが自分の生まれ故郷をテーマに作成した二人用のゲームです。
プレイヤーはアルル地方の農民となり、農地を拡大することを目指します。拡大と一言でいっても、湿地を乾燥させて泥炭を掘ったり、堤防を拡大して牧場を広げたり、畑を耕したり家畜を増やしたり、道具を発展させたり建物を建てたり、荷車を作って荷物を各地に届けたり、、、とまぁ、様々なことができます。
半年(夏と冬)を1ラウンドとして9ラウンドを行い、得点の多い(=より豊かな農場を作った)プレイヤーが勝利します。
他にもルールはいろいろあって説明するのが難しいのですが、アグリコラというゲームを知っていれば話が早く、アグリコラを二人用にして更にとんでもなく複雑したものといっていいと思います。(アグリコラについても、そのうち紹介したいと思います)
このゲームの素晴らしい点は、上に書いたとおりできることが非常に多くとても複雑です。それでいて、ここが優れたデザイナーの技なのか、プレイヤーが「良く分からないけど、、、羊が欲しいかも」「荷車作ってみようかな、、、」と(言い方は悪いかもしれませんが)なんとなくプレイしてても楽しめちゃうんです。
この懐の深さと言うか、「そこそこできた。でも、次はもっと上手くやれる気がする」という感覚を持たせるのは名作なんじゃないかと思います。
もう一つ、このゲームで私が気に入っているのは、あくまで想像なのですがデザイナーであるローゼンベルグが地元への愛をめいいっぱい詰め込んで作ったのではないかと思えるところです。実際にゲームを手とれば分かると思うですが、アートワークもコマのつくりもとても手が込んでます。更にルールブックとは別にアルル地方の歴史や文化について書かれた別冊が付いており、ゲームに出てくる土地や品物が実際はこんな感じなんだよ、と言うことが延々と書いてあります。(ドイツ語なので読めませんが)
誰にでもお薦めできるゲームではありませんが、このゲームに込められた熱量はハンパじゃありません。アグリコラ、グラスロードなど数々の名作を生み出した人気デザイナーの意欲作、是非遊んで欲しいです。
ドイツ語版は言語依存があるためやや遊びづらいのですが、日本語版も発売されるそうなので楽しみです。
最後になりますが、このゲームなんと一人でも遊べます。