今回はボードゲームですが、決してアナログではできないゲームの紹介です。
ちょっと難しい話なので途中で飽きちゃったら、読み飛ばして下さい。
ゲームの方は抜群に面白いのでやってみてください。
その名も量子将棋。
そもそも量子ってなんですか?
さてこの馴染みのない量子という言葉ですが、これは物理学、自然科学の量子という微細な粒子の単位から来ています。(結構噛砕いていってます、興味のある方は調べて、詳しい方は読み飛ばして下さい。)
で、この量子というのは観測しないと位置やスピードなどが確定しないのです。(本当はちょっと違いますが)
どこに存在するかがわからなくまたどこにでも存在する可能性がある。
そこから生じて何かが確定していない物事に対して量子状態などといわれることが最近多いです。
で、量子将棋はコマの強さがわかんなくて(量子状態にあって)、ゲームが進行するに連れ、徐々に決まっていく将棋なんです。
どういうことかというと、ゲーム初めには、コマはどのコマの動きもとることができます。
真横に動く金の動きであっても、斜め後ろに動く銀の動きであっても。
そうするとコマの可能性が徐々に絞られるわけです。
どういうことかというと、一手目に、1マス真横に動いたとします。そうするとそのコマはこの動きの取れる金か飛車か王だろうというコマになってしまいます。桂馬ではないので桂馬の動きはもうできません。
その次に同じコマを斜め後ろに動かしたとします。そうすると、金と飛車と王のなかで、斜め後ろに動けるコマは王しかいないのでこのコマは自動的に王となるということです。
このような特殊な処理でコマの可能性が徐々に絞られていきゲームは進行しています。
もちろん普通の将棋と一緒で相手の王将または玉将を取れば勝ちです。
ですが、どのコマが玉将かはゲームが進行していきコマが確定していかないとわかりません。
このような処理が必要なため、決してアナログではできないボードゲームなのです。
コマが徐々に決まっていくという非常に不思議な気分と、今までと違った意味での高い戦略性を存分に味わうことができます。
ぜひこの機会にプレイしてみてください。量子将棋で検索すると、プレイ可能なページが有ります。
また、僕が開発に携わったマスクメンも、カードの強さが分からない大富豪(量子状態)になっており、同様のプレイ感覚を感じられる作品になっています。
もし機会があったら遊んでみてください。感想もらえたりすると尚嬉しいです。
こちらはアナログでできるように確定処理に一定の工夫がくわえられています。
宣伝で終わってしまいましたが(笑)、個人的にこの量子状態という概念は学問だけでなく、ゲームルールにも多大な影響をあたえる考え方だと思っています、今後ゲームを作られる方は挑戦しがいのあるジャンルなのではないでしょうか。
この量子状態を取り入れたゲームのプレイ感、考え方の新しさは21世紀を感じると言っても過言ではありません。
今後も「量子」は注目ワードの一つであることは間違いないのではないでしょうか。